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自然を考える


第一章 ある山行
 ガラスの登山靴をぬぎ捨てて裸足で雪渓を走り去る後ろ姿があんまりきれいだったので、思わず君を山頂で軟派したのさ。“そこのレストランでカレー味のソフトクリームを食べませんか。”って。
 君は案外簡単に誘われて、1984m無名峰から17軒目で時々走って2分と15秒の、イタリアンレストラン“崖っぷち”でソフトクリームの形をしたカレーをなめていた。僕はといえば、オードブルのゆで玉子を食べようとしたら突然に火傷したヒヨコがかえって、短足のフラミンゴと一緒に青空に飛び立った。
 仕方がないので、
“飛び去った ヒヨコに教わる 空の青”
 などと石戸さんのように一句ひねりながら、山菜サラダを食べたなら、ふきのとうに紛れた毛虫を噛み潰して、“私は怒ったぞ−”と言ったなら、夕立が激しく降りだしてきて、窓の外の登山道を雨に濡れたノープラ娘が走ってきて思わずよかった。しかし、そのうしろを透明人間が血相を変えて追いかけていったので、僕は九分九厘(英語にすると9.9%)駆け落ちだと思った。
 結局この日は登山道を一人で下ったが、途中一匹狼の大群に襲われたので、GIジョーの真似をしたらうまく隠れられた。気が付くと目の前にはリカちやん人形の真似をした色盲のカメレオンが立っていたので思わず熱く抱きしめてから下山した。
 さびしくなって“東風(こち)ふかば・・・”といったなら、梅ではなくて、セイタカアワダチソウが荒川土手から単身不倫して僕をまっててくれたのでうれしかった。